【問】 難易度 ★★☆☆☆ (ふつう)
(設問 1 )
年間販売量が⑴10,000 個の場合と、⑵5,000 個の場合の正味現在価値を求めよ。
⑴については、計算過程も示すこと。そのうえで、⑶当該設備投資の正味現在価値の期待値を計算し、投資の可否について、カッコ内の「ある」か「ない」に○を付して答えよ。
(設問 2 )
⑴ 初年度末に 2 年度以降の販売量が 10,000 個になるか 5,000 個になるかが明らかになると予想される。このとき、設備投資の実行タイミングを 1 年遅らせる場合の当該設備投資の正味現在価値はいくらか。計算過程を示して答えよ。 1 年遅
らせる場合、初年度の固定費は回避可能である。また、 2 年度期首の正味運転資本の残高はゼロであり、その後は資料における残高と同様である。なお、 1 年遅らせる場合、設備の耐用年数は 4 年になるが、その残存価額および処分価額は変化しないものとする。
⑵ 上記⑴の計算結果により、当該設備投資を初年度期首に実行すべきか、 2 年度期首に実行すべきかについて、根拠となる数値を示しながら 50 字以内で説明せよ。
上記の問題を読み取り、作問者が意図した問題の建付け(ストーリー・流れ)をについて想定せよ。それを説明すること。
※目標処理時間 15分
【解答例】
題意
設問1
(1)10,000個の場合の正味現在価値
(2)5,000個の場合の正味現在価値
(3)正味現在価値の期待値
設問2
(1)1年遅らせた場合の正味現在価値
(2)実行の時期
処理手順 そのうち本ブログにて出題する。
【解釈】
まず、設問1と設問2の題意を上記のように整理したのかをチェックすること。
まかり間違って、今回は敢えて掲載しなかったものの、本番で「第3問の与件(問題設定、データ)」を読み取りに行った人がいたとしたら、ちょっぴり惜しい。
恐らく、設定を理解することに意識がいき、設問を正しく読み取ることができなかったのではなかろうか。
さて、題意を上記の通り並べてみるとわかることがある。
それは、設問1と設問2が連動している可能性が高いということである。
具体的には、結局、解答の方向性が
①設問1の結果はマイナスになってしまうが、時期を見据えた投資を行うこと(設問2)を実行することで有効な投資案になる。
もしくは
②設問1の結果はプラスだが、時期を見据えた投資を行うこと(設問2)を実行することで無効な投資案になる。
もしくは、
③どちらもプラス(設問2の方がより良い)、④どちらもマイナス
という4パターンに限られることがわかる。
そもそも、ここを設定できないと、処理のしどころや、メリハリがつけられない。
大元の与件分には、「男性用アンチエイジング製品」は(なんとなくやりたい)というように読み取れる。
そうすると「慎重にやるから、設問2ではないのか」という考えに行きつく。
そうすると、①か③のパターンかな。というのは透けて見える。
慎重に考えるから設問2に続く、と考えると④は多分ない。
大穴で②の可能性は無きにしもあらずだけれども、それだと設問2を解かせる意味がない(設問1で話がつくので必要ない)。
また、普通に投機と延期の考え方をすると、時期の遅い設問2の方がより有利になる可能性が高い。リスクが少なくなるから。
そうすると、方針として、話の流れ(解答)は、①か③。
設問1の計算結果次第だけれど、設問1の計算結果がプラスでも、マイナスでも、設問2の記述は、「設問2の方がいいと書こう」
ということは計算せずとも設問解釈時に思い浮かべることができる。
ここが見抜ければ本問の攻略法が一気に見えてくる。
恐らく、設問1が事例Ⅳ全体の中でも、割とソフトに設計されていることに気が付くからである(少なくとも数問、ワンタッチで処理できる問題が含まれているはず。それに配点が大きくなる。)
運転資本が、、、という点を難しいと仰る受験生がいるかもしれないが、機首のキャッシュアウトと期末のキャッシュインだけでしょ。とさらっと言えないのは勉強不足。
事例Ⅳでむやみやたらに電卓をたたいたり、日々計算をトレーニングしたり、なぜか簿記を始める人がいるけど、そういうことじゃなくて
ちゃんと情報を整理して、読解し、意図をくみ取る訓練をしないと事例Ⅳに上手に対処することは難しい。